記事: 茶渋の落とし方・取り方|お気に入りの器を長く快適に使うには
茶渋の落とし方・取り方|お気に入りの器を長く快適に使うには
毎日のお茶時間に欠かせない湯飲みやカップが、何となくくすんで見えることはありませんか。そしてふと見ると湯飲みの内側には茶色っぽい汚れが… 茶渋です! 茶渋はその見た目だけでもちょっとテンションが下がりますし、肝心のお茶の味や香りにまで影響することも。

このコラムでは茶渋の原因や、大切な器の茶渋の落とし方、器をきれいに保つためのお手入れ方法などについてご紹介します。
茶渋の原因とは
茶渋はお茶の葉に含まれるタンニンやカテキンなどのポリフェノールが水のミネラルと結びつき、ステインという着色汚れを生じさせることをいいます。ステインによって、お茶の道具に茶渋がついたり、お茶を飲む私たちの歯までもがくすんだりといったことが起こります。
茶渋の汚れは見た目が悪いだけでなくカビや細菌が繁殖しやすく不衛生でもあり、味や風味にまで影響を与えます。茶渋は時間が経つと蓄積して落としにくくなるので、茶渋の落とし方や予防法を知って対策していきましょう。
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ガンコな茶渋にはつけ置き洗いを
塩素系漂白剤
いちばん手軽で強力な茶渋の落とし方は塩素系漂白剤を使った落とし方です。ハイターなどの洗剤を説明書き通りに薄めて、器を漬けておきます。泡状に出るスプレータイプもありますので、茶渋を落としたい食器の形などに合わせて選びましょう。
※塩素系漂白剤はステンレス製のものには使用しないでください。また衣服などに付くと色落ちするので注意し、皮膚などに直接触れないよう手袋などを使用してください。
酸素系漂白剤
酸素系漂白剤も同様に、薄めて漬けておくだけでかなりの茶渋がきれいに落とせます。酸素系漂白剤といえば、オキシクリーンが代表的です。これも説明書き通り、40~60℃のお湯によく溶かして食器を漬けておきます。
※金属やアルミ製品には使えません。また他の洗剤と混ぜたりしないよう注意し、手荒れを防ぐため手袋を使うようにしてください。
クエン酸・重曹を使った茶渋の落とし方・取り方
塩素系漂白剤などの特有のニオイや手荒れが気になる方、また小さいお子さんやペットがいるお宅など、できれば強力な漂白剤は使いたくないという場合は、クエン酸や重曹を使った茶渋の落とし方がおすすめです。クエン酸や重曹は環境にやさしいお手入れ方法として人気で、いずれも100円ショップなどで簡単に手に入ります。
クエン酸

茶渋の主な原因であるタンニンとミネラルの結合を解く働きをするのがクエン酸です。食器の中にお湯をいれ、クエン酸を溶かして放置します。クエン酸の量は、500㎖のお湯に小さじ1程度を目安としてください。3時間ほど経ったらスポンジで擦り、洗い流します。
重曹

重曹もまた茶渋を中和する働きをします。研磨力があるので、濡らしたスポンジに重曹を直接ふりかけ、茶渋の部分をやさしく擦って落とします。擦っても落ちない場合は、お湯1ℓに大さじ2~3杯の重曹を溶かし、数時間つけ置きした後で擦り洗いをしてみてください。
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茶渋の擦り落とし
重曹での擦り落とし以外にも、茶渋を擦り落とせる方法があります。どれも身近で口に入れられるものを使うので安心です。
塩
塩の粒子を研磨剤として使う茶渋の落とし方です。少し水をつけたスポンジや指に塩をつけて、茶渋を擦ります。水分が多いと塩が溶けて研磨できなくなってしまうので注意しましょう。また力を入れすぎると傷が付いてしまうことがあるので、加減を見ながらやさしく擦ってください。
柑橘類の皮
みかんやレモンなど柑橘類の皮には、市販の洗剤にも入っているリモネンが含まれていて、茶渋などの汚れを落とすことができます。みかんなどの皮で茶渋の付いた部分を擦ってみてください。皮で擦っても落ちない場合は、塩をプラスすると効果的です。
歯磨き粉
歯磨き粉には、歯についたステインを取る成分や研磨剤が入っているものがあります。歯磨き粉をスポンジや古い歯ブラシなどに付け茶渋の部分を擦ると、茶渋が落ちていきます。歯磨き粉が残らないよう、茶渋を落とした後は水でよく洗いましょう。
大切なのはしっかり洗浄、しっかり乾燥
漂白剤や重曹、クエン酸など、どの茶渋の落とし方をしたとしても、最後にしっかりと水で洗い流すことが大事です。洗剤などが食器に残らないよう、念をいれてすすぎましょう。

また洗浄後の乾燥も確実に行うことが大切です。洗剤や水分が残っていたりすると、今度はカビやニオイの原因となってしまいます。お茶を飲みたい時にお気に入りの湯飲みやカップがいつでもベストな状態だと、お茶の時間がより楽しいものになりますね。
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茶渋を予防するには
ここまで茶渋が付いてしまった時の落とし方をご紹介してきましたが、そもそも茶渋が付かないようにするにはどうしたらよいでしょうか。
使用後すぐに洗う
茶渋を防ぐには、器は使ったらすぐに洗うのが基本です。茶渋はタンニンと水のミネラルが結びついて発生するので、早めの洗浄で防ぐことができます。もしお茶を飲んだ後にすぐ洗えなくても、水で簡単にすすいでおくか、水を入れておくだけでも効果があります。
定期的に漂白する
茶渋が目につく前に定期的に漂白するのも効果的です。時間が経っていない茶渋なら簡単に落とせるので、例えば毎週日曜日の夜に漂白剤へつけ置きしておけば、翌朝きれいな器で週の初めをスタートできます。曜日や日にちを決めて漂白をすれば、茶渋がガンコに蓄積してしまうのを防げます。
◆ティーフリーは茶こし付きの水筒。上下のフタが取り外せるので中までしっかり洗えてとても衛生的です。

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茶渋の付きにくい素材や形
湯飲みやカップを選ぶとき、茶渋の付きにくい素材を選ぶのも一案です。茶渋は素材の表面の質感や吸水性によって付きやすさが変わります。特にガラスや磁器製の器は表面がつるつるしているので茶渋が付きにくく、反対に陶器の器はざらざらしているために茶渋が付きやすいといわれています。
特に陶器は種類により釉薬によってひび状に模様が入る貫入という現象があり、あえて貫入ができるよう作られた器があったり、経年使用により貫入ができることを楽しみの一つと考えたりもします。器の目的や用途に応じて選ぶとよさそうです。
またデザインが洗いやすくお手入れしやすいのも茶器を選ぶ時のポイントの一つです。器を洗う際に底まで手が届き、すみずみまでしっかり洗えそうか確認してみましょう。また食洗器が使えるなど、お手入れのしやすさを考えて作られた器や茶器も多くあり、選択肢の一つになりますね。このような観点から器を選ぶと、日ごろのメンテナンスが簡単になり、器を清潔に保つことが楽になります。
◆ドコデモ茶こし&耐熱マグがあれば、急須がなくてもお茶がいれられて便利です。洗い物が減らせるうえに、お手入れがとても簡単。

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今回は茶渋の原因や茶渋の落とし方、きれいに保つ方法などについてご紹介しました。ご自分のお気に入りの器やライフスタイルに合うお手入れ方法はあったでしょうか? 毎日のおいしいお茶に茶渋は付き物。器を無理なく清潔に保って、すてきな幸福お茶時間をお過ごしください。