記事: 中国茶のいれ方|気軽においしく中国茶を味わってみよう
中国茶のいれ方|気軽においしく中国茶を味わってみよう
お茶の本場中国では、家庭はもちろん職場や商店の店先などにもお茶の道具が一通りそろえてあり、皆でお茶を片手におしゃべりを楽しむ様子がよく見られます。おいしく飲めて体にいいお茶は漢方の医食同源の考えにも深くつながっているため、中国の人々にとって生活に欠かせない飲み物となっています。

今回のコラムでは中国茶をいれるための茶器や、ご家庭でも手軽にできる中国茶のいれ方などをご紹介します。
お茶の歴史やお茶の種類については下記リンクで詳しくご紹介しています。
お茶の種類|本格派から入門者まで楽しめるお茶の知識をご紹介
中国茶をいれるための茶器
中国茶は普段お使いの急須やポットを使っていれることもできますが、専用の茶器をそろえればより本格的に中国茶を楽しむことができます。最初に中国茶をいれるための代表的な茶器をいくつかご紹介しましょう。これらの茶器はオンラインショップや中国茶専門店などで購入することができます。
茶壷(チャフー)

急須のこと。さまざまな形や大きさがあります。茶葉の種類や一度にいれる量に応じて選びましょう。例えば、烏龍茶には小型で丸型のもの、緑茶には平型のものが適しています。
また茶壷の素材にも陶器製、磁器製、ガラス製などがありそれぞれに特徴があります
【陶器製】
紫砂(シサ)という原料から作られたものが上質とされていて、通気性が良く茶の香りの吸収・保持に優れています。洗う時は洗剤を使わないようにして、お茶の風味を蓄積していきます。そのためお茶の種類を決めて使うのがよいとされます。
【磁器製】
扱いやすくお茶の色を美しく見せ、洗浄や手入れも簡単です。
【ガラス製】
工芸茶や花茶などに使うと、茶葉の色や開き具合を見ながらいれることができます。
蓋碗(ガイワン)

蓋のついた茶碗。茶葉とお湯をいれて蒸らしたら、蓋をずらして口をつけそのまま飲みます。お好みで茶杯(湯飲み)に注げば、茶壷のような使い方もできます。
茶海(チャハイ)

茶壷や蓋碗からお茶をいったん注いで、お茶の濃さを均一にしたり温度を調整したりするための器。
聞香杯(モンコウハイ)

お茶の香りをかぐための器。口が小さく高さのある湯飲みで、お茶を注いだら次に茶杯(小さい湯飲み)に移し、空の聞香杯に残った香りをかぎます。
茶杯(チャベイ)

湯飲みのこと。烏龍茶など何煎もいれるお茶が多いので、日本の湯飲みより小さなもので繰り返し飲むのが一般的です。香りを楽しむために上部が広がった形が好まれています。
茶器ごとの中国茶のいれ方
次に中国茶のいれ方を茶器ごとにご紹介します。
茶壷でいれる
- 茶壷、茶海、茶杯を湯で温める
- お湯を捨て、茶壷に茶葉を入れる
- 茶壷にお湯を注ぐ
- 蓋をして蒸らす
- 茶海に注ぐ
- 茶杯に注ぎ分ける
蓋碗でいれる

- 温めた蓋碗に茶葉を入れる
- 蓋碗にお湯を注ぐ
- 蓋をして蒸らしたら蓋をずらしてそのまま飲む
お好みで蓋をずらしてお茶を茶杯(湯飲み)に移すことで、蓋碗を急須のように使うこともできます。
マックマーの「ティープッシュ」で烏龍茶をいれる

ティープッシュはもともと中国茶用として開発されたティーポットをルーツとしています。しっかりお湯がきれて渋くならないので、烏龍茶やプーアル茶など二煎目、三煎目以降もさらに何煎もおいしく飲めます。
- ティープッシュ、茶杯を湯で温める
- お湯を捨て、ティープッシュに茶葉を入れる
- ティープッシュにお湯を注ぎ、蓋をして蒸らす
- お好みの濃さになったらボタンをプッシュ、お茶が下に落ちてお湯がしっかり切れます
- 茶杯に注ぎ分ける
ご購入はこちらから
グラスでいれる
中国ではこの方法で多くの人が手軽にお茶を楽しんでいます。

- 温めたグラスに茶葉を入れる
- グラスにお湯を注ぐ
- 蓋をして蒸らしたら、茶葉に息を吹きかけて避けながら飲む
マックマーの「ドコデモ茶こし」を使えば、お茶の濃さを簡単に調整できて茶葉を避ける手間も省けます。

ご購入はこちらから
「ティープッシュ」「ドコデモ茶こし」を使ったお茶のいれ方については下記リンクでもご紹介しています。
日本茶のいれ方をわかりやすく解説!もっとおいしくなる幸福お茶時間。
お茶の種類にあわせた中国茶のいれ方
最後にお茶の種類別にいれ方のポイントを見ていきましょう。中国茶にはたいへん多くの種類があり、六大茶分類と呼ばれる緑茶、紅茶、青茶(烏龍茶)、白茶、黒茶、黄茶を中心に、さらに細かく分類すると数千種類ものお茶があると言われています。それぞれのお茶は独特の製造方法や香り、味わい、効能を持ち、飲み方もさまざまです。
日本茶と同様に中国茶をおいしくいれるポイントは3つ。茶葉の量、お湯の温度、そして抽出時間です。茶葉の量については(蓋碗で150cc程度の場合)、どの種類も基本的に2~4g、黒茶のみ3~5gを目安として、ご自分の好みの濃さに調整してみてください。
緑茶:80~100℃のお湯/抽出時間1~2分

茶葉を蓋碗やグラスに入れ、少し冷ましたお湯を注いだ後、茶葉が沈むまで待ちます。茶葉を傷めないようお湯は優しく注ぎましょう。お茶の色が出なくなるまで繰り返し飲むことができます。
紅茶:100℃前後のお湯/抽出時間1~2分

茶葉が十分に開く深さの茶壷や蓋碗でいれましょう。イギリス紅茶のようにポットを使ってもいいでしょう。しっかり湯を切っておけば3~4煎いれられます。
青茶(烏龍茶):95℃前後のお湯/抽出時間45秒~1分

茶壺を使うか、茶葉がかさばるようなら蓋碗でいれましょう。茶葉が丸められている場合は、茶葉に注いだお湯を一度捨て洗茶することで、茶葉を開かせてからいれてもいいでしょう。7~8煎いれることができます。
白茶:80~100℃のお湯/抽出時間1~10分

ガラスの器があればそれを使っていれてみましょう。きれいな茶葉が開いたり浮き沈みしたりする様子を見て楽しむことができます。
黒茶:95~100℃のお湯/抽出時間1分~1分30秒(洗茶後)

最初に茶葉を軽く湯で洗い(洗茶)、チリやホコリなどを流し茶葉を開かせます。その後、複数回(7~8煎)いれて風味が変化する様子とともに味わいます。
中国茶が日本茶と大きく異なるのが、同じ茶葉で何煎も繰り返し飲むという点です。茶壺や蓋碗から茶杯にお茶を注ぐ時にはしっかり注ぎ切って、茶葉がお湯に浸ったままにならないようにしましょう。いれる回数が増すに従い風味の変化を感じることができます。
中国茶にはご紹介した他にも、お湯の中で花のように開く工芸茶やジャスミン茶、八宝茶などさまざまな種類があります。最近は中国茶の専門店も増えてきて、珍しい茶葉も入手しやすくなりました。ぜひ気軽に試してご自分のお好きな中国茶を見つけてください。
中国茶の種類については下記リンクでもご紹介しています。
お茶の種類|本格派から入門者まで楽しめるお茶の知識をご紹介