コーヒーとエスプレッソって何が違う?|知ると広がるコーヒーの世界
イタリア発祥のエスプレッソ。いまや世界中で飲まれています。イタリアでは一日に何回もバールと呼ばれるカフェへ行き、エスプレッソコーヒー=イタリア語で「カッフェ」を友人や同僚たちと楽しむ様子が見られます。時には忙しそうにバールへやってきて、1杯のカッフェをさっと飲んでまたすぐどこかへ立ち去っていく人も。コーヒーを愛する国の人々のすてきな習慣ですね。
コーヒーとエスプレッソって何が違うのでしょうか。そもそもエスプレッソも同じコーヒー豆から抽出されるコーヒーの一種で、その抽出方法の違いから一般的なドリップコーヒーと区別される場合が多いのです。今回のコラムではそんなエスプレッソとドリップコーヒーとの違いを知るとともに、エスプレッソの楽しみ方などについてご紹介します。
ドリップコーヒーとエスプレッソの違い
ドリップコーヒーとエスプレッソには、抽出方法、抽出時間や抽出量などさまざまな違いがあります。一番の大きな違いは抽出方法で、エスプレッソは、エスプレッソマシンでコーヒー粉に高い圧力をかけることで短時間に濃厚な成分を抽出し、一方ドリップコーヒーは緩やかな方法で抽出されます。
|
ドリップコーヒー |
エスプレッソ |
焙煎度 |
浅煎り~中煎り~深煎り |
中煎り~深煎り |
挽き方 |
中細挽き~粗挽き 抽出器具にあわせて選択 |
極細挽き |
抽出方法 |
濾過式:緩やかに抽出 |
エスプレッソマシンで高圧をかけて抽出 |
抽出時間 |
2分半から3分 |
20~30秒 |
抽出量 |
150~250ml |
25~30ml |
エスプレッソに適したコーヒー豆
エスプレッソを淹れるのに特別な種類のコーヒー豆は必要なく、レギュラーコーヒーの豆を使うことができます。ただ焙煎度については中煎りから深煎りが一般的で、ブラジルやケニアなど中煎りから深煎りに適したコーヒー豆が、よりエスプレッソに向いていると言えるでしょう。カフェなどで提供されるエスプレッソはブレンドされているものがほとんどです。エスプレッソ用にブレンドされた豆も販売されていますので、お好みの味を探してみてはいかがでしょうか。
豆の挽き方は、エスプレッソは高圧、短時間で抽出するため極細挽きが適しています。
エスプレッソの抽出時間と抽出量
エスプレッソの抽出時間は、レギュラーコーヒーの2分半から3分に比べ20~30秒と短時間です。また、抽出量は、レギュラーコーヒーが150~250mlとコーヒーカップやマグカップでたっぷり飲むのに対し、エスプレッソはエスプレッソカップやデミタスカップなど容量の小さいカップで提供されるので、1度の抽出量も25~30mlと少なくなっています。
エスプレッソ用の抽出器具
エスプレッソマシン
エスプレッソを淹れるには専用のエスプレッソマシンが必要です。エスプレッソマシンで高圧をかけることによって、コクがあり濃厚なエスプレッソが抽出できます。
プロ用のエスプレッソマシンにはたいへん高額なものもありますが、最近は手ごろな家庭用のエスプレッソマシンも続々発売され、お家でおいしいエスプレッソを楽しむ方も増えてきました。機能にあわせ価格もさまざまで、どれくらいの頻度でどんなエスプレッソを飲みたいのかによって、マシンを選ぶことができます。より簡単にエスプレッソが淹れられるカプセル式のマシンも人気です。
マキネッタ(モカポット)
”モカポット”とも呼ばれる「マキネッタ」はイタリアの家庭などでよく使われているエスプレッソを淹れる器具の一種です。直火にかけた水が沸騰すると一気にコーヒー粉を通り上部に抽出される仕組みで、厳密には高圧をかけて抽出するエスプレッソとは異なりますが、手軽にエスプレッソ風味のコーヒーを淹れることができます。エスプレッソマシンに比べると価格もお手頃なので、お家でエスプレッソを飲んでみたいと考えている方には、お試しとしてぴったりなのではないでしょうか。
マキネッタでエスプレッソを淹れる際は、お湯が高温になるので深煎りのコーヒー豆を使うと苦くなります。中煎りから中深煎りの豆を使うのがおすすめです。
エスプレッソがエスプレッソマシンで高圧をかけて短時間で淹れるのに対し、ドリップコーヒーは濾過式(ペーパーフィルターでのドリップなど)で緩やかに抽出されます。
マックマーのカフェメタルはペーパーフィルターを使わずコーヒーの油分(=甘み)を抽出できる人気の商品です。詳しくはこちらから。
ドリップコーヒーのおいしい淹れ方については、「コーヒーの淹れ方を初心者向けに解説。はじめよう!幸福珈琲時間」で詳しく解説しています。
エスプレッソコーヒーの特徴
カフェイン
ご紹介してきたようにドリップコーヒーとエスプレッソは、抽出方法の違いから味わいや香りに大きな違いが生まれると同時にカフェイン量にも違いが出ます。ドリップコーヒーよりエスプレッソの方がカフェインは多く抽出されますが、エスプレッソは容量の小さいカップで提供されるため、1杯あたりで比べるとエスプレッソの方がカフェインは少なくなります。
濃厚さとクレマ
エスプレッソの特徴の一つにクレマがあります。クレマとは、高圧で短時間でいれられたエスプレッソの表面にできる薄い泡状の層のことです。クレマは、コーヒー豆に含まれる油分が抽出の過程で乳化されることで生まれ、よいクレマは均等で適度な厚みがあり持続性があるとされます。またエスプレッソの香りを閉じ込め、口に含んだ際の味わいを増す役割もあります。
エスプレッソのバリエーション
エスプレッソにはその特徴を活かしたさまざまな飲み方があります。イタリアのバールでは小さなエスプレッソカップに入ったカッフェに砂糖をたっぷり入れて飲むのが当たり前だそう。皆さんのお気に入りの飲み方はありますか。
エスプレッソ・ソロ
エスプレッソをそのまま楽しむ基本的な飲み方です。
マキアート
エスプレッソに少量の泡立てたミルクを加えたスタイル。マキアートはイタリア語でコーヒーに「しみをつける」という意味です。
カフェラテ
エスプレッソにその2倍の量の蒸気で温めたスチームドミルクを注ぎます。表面にイラストなどを描くラテアートも人気の理由です。
カプチーノ
エスプレッソにスチームドミルクとふわふわに泡立てたフォームドミルクをたっぷり注ぎます。
濃厚なエスプレッソで作るアイスコーヒーもまた一味違ったおいしさです。マックマーのティーフリーグラスなら耐熱ガラスなので温度差を気にせず、一気に冷たいアイスコーヒーが作れます。
お求めはこちらから。
これまでコーヒー(ドリップコーヒー)とエスプレッソの違いや特徴について紹介してきました。コーヒー豆の焙煎度や抽出方法などの違いがそれぞれのおいしさを生み出し、飲み方のバリエーションの豊かさがコーヒーをいっそう楽しいものにしてくれます。