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記事: コーヒーの歴史|世界中で愛されるようになるまでの軌跡

コーヒー

コーヒーの歴史|世界中で愛されるようになるまでの軌跡

豊かな香りと味わいで多くの人を魅了するコーヒーは、エチオピアの山岳地帯が原産といわれるコーヒーの木の実から作られます。かつてはコーヒーを秘薬として門外不出としていた地域や、秩序を乱すとして飲むことを禁止していた国もありました。

焙煎したコーヒー豆

コーヒーがどうやって今のように世界中で愛されるようになったのか、コーヒーの歴史をご紹介していきましょう。

コーヒーの歴史(〜中世まで):その起源と伝播

エチオピアとイエメンの伝説

コーヒーの起源については伝説がいくつか存在しています。よく知られているのは、エチオピアのヤギ飼いカルディの物語です。カルディは自分のヤギたちがある赤い実を食べた後にとても活発になることに気付き、その実を自分でも食べてみたところ活力がみなぎったといいます。その話を聞いた修道院の僧侶たちが赤い実(コーヒーの実)を煎じて飲むようになったのがコーヒーの始まりだといわれています。

また別の伝説では、イエメンのモカから追放されたオマールという修行者が主人公です。オマールが食べる物がなく困っていたところ、小鳥たちが赤い実をついばんで盛んにさえずっているのを見かけました。そこでこの赤い実をスープにして飲んでみると、みるみる活力が沸いてきました。それからオマールはこの赤い実(コーヒーの実)のスープを病人に与え、多くの人々を救ったということです。

コーヒーの木の実・コーヒーチェリー

この2つの伝説はコーヒーの発見を象徴的に表していますが、実際のコーヒーの起源は正確にはよく分かっていません。現在も栽培されているアラビカ種のコーヒーの木(コーヒーノキ/学名:Coffea arabica)の原産地はエチオピアといわれ、ここでは野生のコーヒーの木が何世紀にもわたって自生していて、その土地の人々はコーヒーの実の果肉を食べたり、葉を煎じて薬として飲んだりしていたようです。

コーヒーのおいしい淹れ方については下記リンクで詳しくご紹介していますので、ぜひあわせてご覧ください。
コーヒーの淹れ方を初者向けに解説。はじめよう!幸福珈琲時間

アラビア半島での栽培と普及

コーヒーの花

10世紀頃コーヒーの栽培と飲用がエチオピアからアラビア半島に伝わり、15世紀半ばにはイエメンでコーヒーの大規模栽培が始まりました。特にイエメンのモカ港はコーヒー貿易の中心地となり“モカコーヒー”という名前の由来にもなっています。当時イエメンを支配していたオスマン帝国はコーヒーの栽培を独占し焙煎した豆だけを流通させ、生きた種や苗木の持ち出しを厳しく禁じていました。そのためコーヒーの生産はこの後、長期に渡ってイエメンに限定されることになります。
また当時アラビア半島ではコーヒーは宗教儀式や医療に使用されていて、イスラム教の修行僧たちは夜通し祈りを捧げるため覚醒作用のあるコーヒーを珍重しました。イスラム教寺院ではコーヒーを秘薬として門外不出としていた時期もありました。

コーヒー専門店の誕生

13世紀になるとコーヒーは庶民にも伝わりはじめ、15世紀頃には“カフェハネ”と呼ばれるコーヒー専門店がサウジアラビアのメッカに誕生します。 カフェハネとはイスラムで、人々が集いコーヒーを楽しむ場所のことをいいます。アルコールがタブーとされているイスラム教の人々にとってカフェハネは、お酒のない酒場のような寄り合い所だったようです。そしてメッカに続きカイロやイスタンブールにもカフェハネが登場し人々を魅了していきました。

コーヒーの歴史(中世から近代):ヨーロッパへそしてさらなる広がり

コーヒーの歴史の世界地図

ヨーロッパへの伝播

16世紀後半になると、商人や旅行者によってヨーロッパにコーヒーがもたらされます。当時コーヒーは異教徒の飲み物として知られていたため「悪魔の飲み物」と呼ばれ、コーヒーを飲むことに反対する人々もいました。コーヒーが好きだったローマ教皇クレメンス8世はそこで一計を案じ、コーヒーに洗礼を施すことでキリスト教の飲み物として公認しました。こうしてコーヒーは晴れて市民権を得ることができたのです。

コーヒーハウスの登場

イタリアでは1645年、ベネチアに最初のコーヒーハウスが開店しました。コーヒーの人気はさらに高まり17世紀から18世紀にかけてヨーロッパの主要都市にコーヒーハウスが次々とでき、ヨーロッパ中に広がっていきました。コーヒーハウスは単なる飲食店ではなく知識人や商人、政治家、芸術家たちの集う場所となり、新しいアイデアや革命的な思想が生まれる社交の場となりました。
1650年にはオックスフォードにイギリス最初のコーヒーハウスが開店しました。イギリスではコーヒーハウスのことを「ペニーユニバーシティ」と呼び、1ペニーでコーヒーを飲みながらさまざまな情報交換や知識を得たりすることのできる場所として大人気となりました。またフランスではコーヒーハウスに思想家や芸術家たちが集まり盛んに議論をしていたことから、コーヒーハウスがフランス革命の種を蒔いたといわれています。

イタリアではその後、新しい飲み方「エスプレッソ」が誕生しました。
コーヒーとエスプレッソの違いについては下記リンクで詳しくご紹介しています。
コーヒーとエスプレッソって何が違う?|知ると広がるコーヒーの世界

コーヒーはアメリカへ

17世紀初頭にコーヒーはアメリカ大陸に伝えられました。アメリカではもともと紅茶が飲まれていましたが、ボストン茶会事件をきっかけにコーヒー文化が根付き、その後アメリカが一大消費地となる道筋が作られたといわれています。ボストン茶会事件とは、当時アメリカを植民地としていたイギリスが紅茶の値段を吊り上げたうえに重い税を課したことでアメリカが怒り、イギリスの東インド会社の船を襲撃し紅茶をボストンの海の中に捨ててしまったという、アメリカの独立に繋がったといわれる歴史的な事件のことです。

そして日本へ

日本へは1700年代に蘭学者によってコーヒーが持ち込まれたことで、コーヒーの歴史が始まったようです。ただ当時は外国人と交流のある限られた人たちの間で知られているだけで、一般に普及したのは明治時代以降です。1858年に初めてコーヒーが正式に輸入され、文明開化の気運とあいまって人気を呼びました。1888年には日本で最初の喫茶店といわれる「可否茶館」が東京上野に開かれ、その後、浅草や銀座、大阪にも喫茶店が続々と開店しました。当時の喫茶店は文化人のサロンといった位置づけで、外国の新聞や雑誌、ビリヤード台などを置いたりしていたようです。当初コーヒーは「カウヒー」と呼ばれ「可否」や「可非」と表記されていたようですが、後に「珈琲」という当て字が考案され定着しました。

昭和レトロな喫茶店

その後、日本のコーヒー需要は増加を続け大衆化が進んでいきます。第二次世界大戦でコーヒーの輸入は一時途絶えるものの、もともと日本にあったお茶文化に通じるものがあるためかコーヒーの人気は衰えることなく続いてきました。1970年代には喫茶店の開業ブームがあり、一時は日本に15万店の喫茶店があったといわれています。そしてコーヒーの人気は現在まで断続的に続いています。

コーヒーの歴史(近代から現代):現代のコーヒーシーン

グローバル化と消費の拡大

19世紀以降、コーヒーの生産と消費は急速にグローバル化しました。コーヒーの木は栽培するのに適度な日陰と高度が必要な繊細な植物で、しかも収穫には多くの労力がかかることから、主な生産地は赤道を中心とした“コーヒーベルト”と呼ばれる地域となっています。近年はブラジル、ベトナム、コロンビア、インドネシア、エチオピアなどの国々が主要な生産国で、世界中にコーヒーを供給しています。一方でこの急速なコーヒー消費の拡大は、生産者の労働環境や環境問題など新たな課題も生み出しています。

スペシャルティコーヒーとサードウェーブ

1970年代のアメリカで登場し、コーヒーの世界に大きな変革をもたらしたのが“スペシャルティコーヒー”というコンセプトです。スペシャルティコーヒーとは特定の地域や農園で生産された高品質なコーヒーのことを指し、生産国での厳格な栽培管理や品質管理、輸送・保管管理、独自の風味プロファイルの表現などが求められると定義されています。この動きは一般の消費者のコーヒーに対する意識を高め、より質の高いコーヒーを求める傾向を生み出しています。

シカゴのカフェでコーヒーを楽しむ人々

スペシャルティコーヒーという言葉は日本では2010年頃から耳にするようになりましたが、同じ頃に “サードウェーブ“という言葉もよく聞かれるようになりました。サードウェーブとはコーヒーの世界的トレンドの3つめの波ということです。第1の波は19世紀の大量生産大量消費の時代、第2の波は1960年代のシアトル系コーヒー台頭、深煎り嗜好の時代、今回の第3の波はシングルオリジン、ハンドドリップ、浅煎り嗜好などの時代といわれています。さて次の第4の波では、どんなトレンドがコーヒーの歴史に新たに刻まれることになるでしょうか。

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エチオピアからの長い旅を経て、私たちの日常に欠かせない存在となっているコーヒー。その生い立ちは自然や文化、宗教、政治などと深く絡み合っていることを感じます。コーヒーの歴史を味わいながら、ぜひおいしいコーヒーを飲んでください。

マックマーはティータイム創造企業として、皆さまの幸福珈琲時間のお手伝いをしています。

コーヒーのおいしい淹れ方について下記リンクで詳しくご紹介しています。
コーヒーの淹れ方を初心者向けに解説。はじめよう!幸福珈琲時間

おいしい豆を購入したら大切に保存してあげたいですね。コーヒー豆の保存方法について下記リンクで詳しくご紹介しています。
コーヒー豆の保存方法|豆の鮮度を保ちコーヒーライフを楽しもう

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