コーヒーの淹れ方を初心者向けに解説。はじめよう!幸福珈琲時間
コーヒーと一口に言ってもお湯を注ぐだけでできるインスタントコーヒーやコーヒー豆を挽いて淹れるレギュラーコーヒー、ペットボトルや缶入り、紙パック入りのリキッドコーヒーなど様々あります。最近ではコンビニコーヒーも人気です。今回はこの中の「レギュラーコーヒー」について初心者の方向けに美味しく淹れるコツをわかりやすく解説します。
レギュラーコーヒーの抽出方法は三つ
レギュラーコーヒーの抽出方法は大きく分けて次の3つ。
1.透過式:コーヒーの粉にお湯を透過させて抽出
透過式のなかでも漏斗型のドリッパーにペーパーフィルターをセットしお湯を注いで抽出する方法は日本では「ペーパードリップ」と呼ばれ、最もポピュラーな抽出方法です。電気式のコーヒーメーカーも多くはこの透過式。また近年ではペーパーフィルターを使用せず、ステンレス製のドリッパーに直接コーヒー粉を入れる「メタルドリップ」とよばれる抽出方法も登場。マックマーの「カフェメタル」もこのタイプで、特にメッシュの細かさが人気です。
2.浸漬(しんし)式:コーヒー粉を一定時間お湯に浸漬(しんせき)させて抽出
「サイフォン」やヨーロッパやアメリカで一般的な「フレンチプレス」という器具がこの方法です。マックマーの「カフェプッシュ」もこのタイプです。
3.加圧式:透過式に更に圧力を加えて抽出
この方法で淹れたコーヒーがエスプレッソ。コーヒーチェーン店などで見かける電気式のエスプレッソマシンの他、イタリアではどこの家庭にもある直火式の「マキネッタ」とか「モカポット」と呼ばれる器具で抽出。マキネッタはお家で簡単にエスプレッソコーヒーがつくれるので、こちらは別の機会に。
ペーパードリップからはじめてみよう!
やかんや専用のコーヒーケトルなどを使って手動で抽出する方法を「ハンドドリップ」と言います。ここでは最もポピュラーな漏斗型のドリッパーにペーパーフィルターをセットし抽出する「ペーパードリップ」の淹れ方を解説します。
ペーパードリップに必要なもの
1.新鮮なコーヒー豆(粉)
コーヒー豆は産地や品種、焙煎度合いで味や香り、酸味と甘味のバランスも様々で、コーヒー豆を選ぶ時に最初は自分の好みが分からないかもしれません。そんな時は数種類のコーヒー豆をバランスよくブレンドしているコーヒー専門店のブレンドから試してみるのがお勧め。そしてコーヒー豆を粉に挽くための器具がコーヒーミル。コーヒーは淹れる直前に豆から挽くのがベストですが、お家にミルが無い場合はコーヒー専門店でペーパーフィルター用(中挽き)に挽いてもらいましょう。ここで重要なのは豆の鮮度。長くても2週間で飲みきるぐらいの量で購入するようにしましょう。
※保存する場合はできるだけ空気に触れないように、キャニスターなどのフタのある密閉容器で保存してください。
2.重さを量るスケールとタイマー
キッチン用のデジタルスケールがあれば1g単位まで量ることができ便利。最近はタイマーが付いたハンドドリップ専用のスケールもありますが、時間を計るのはスマートフォンのストップウォッチで代用が可能です。
ドリッパーに付属しているメジャースプーンを使って量る場合は、メーカー毎に大きさが8g、10g、12gとバラバラなので最初に確認しておきましょう。
3.ドリッパーとサーバー
ペーパードリップ用のドリッパーは円錐形のもの、台形のもの、1つ穴、3つ穴、ウェーブ型、素材もプラスチック、陶磁器、金属と様々な種類があります。またサイズも1杯から2杯用、2杯から4杯用、更に大きいものと様々です。どれを選ぶか迷ってしまいますが、最初は値段の安いプラスチック製のもので十分です。またコーヒーサーバーは目盛りがついたものが便利です。セットになったお買い得品などを選ぶのもよいでしょう。
4.コーヒーケトル:
やかんや電気ケトルなどでお湯を注いでドリップすることもできますが、ハンドドリップ専用につくられたコーヒーケトルは先が細く注ぎ口が湾曲していて、狙ったところにお湯を細く出しやすく便利です。この専用のコーヒーケトルがあればハンドドリップが格段に楽しくなります。大きさは1杯から4杯ぐらいまで対応できる700ml程度の容量で、重くなり過ぎず自分の手になじむものを選ぶとよいでしょう。
5.ペーパーフィルター
ドリッパーの形状や容量に合わせ、きちんとフィットするように必ずメーカー専用のものを使いましょう。また色は漂白したもの(白)と無漂泊のもの(茶)二つのタイプがありますが、現在はメーカーの技術も進化しているので出来上がりのコーヒーの味はほとんど変わりません。お好みで選んでください。
ペーパードリップでコーヒーを淹れてみよう!
1.お湯を沸かし器具を温める
やかんなどで多めにお湯を沸かします。お湯が沸いたらそのままコーヒーサーバーに熱湯を入れサーバーを温め、更にそのお湯をカップに注ぎカップを温めておきます。ドリップするお湯は熱湯のままだと温度が高過ぎてコーヒーの苦みが出やすいので、コーヒーケトルに移し替え温度を下げます。湯沸かし付きのコーヒーケトルの場合は沸騰した泡が収まるまで少し待ちます。
2.フィルターをセットしコーヒー粉を入れる
台形のペーパーフィルターはまずサイドの折りしろを折り、底の折りしろは逆側に折りドリッパーにセットします。
今回は出来上がり3杯分(450ml)を抽出するので中挽きに挽いたコーヒー粉30gをフィルターに投入したら、ドリッパーをポンポンと2,3回軽くたたいて表面を平らにしてからコーヒーサーバーにのせます。
※コーヒー粉と抽出量の目安:10g→150ml、20g→300ml、30g→450ml
3.コーヒーケトルでお湯を注ぐ
ケトルのお湯を細くして粉の中央から小さく円を描くようにゆっくりと全体に注ぎ、30秒ほど蒸らします。お湯を注ぐ際はお湯がペーパーフィルターに直接かからないように注意しましょう。表面がドーム状に膨らんできます。
※蒸らしの際に表面が膨らまない場合はコーヒーの鮮度が悪い、お湯の温度が低すぎる、豆が極端に浅煎りなどの原因が考えられます。
蒸らしが終わったら再度お湯を細くして、ドームを壊さないように注意しながら10円玉ぐらいの大きさの円を描くようにゆっくり注いでいきます。表面が大きく膨らんだら一旦注ぐのを止め平らになるのを待ちます。中央がへこんできたら注湯を再開し、これを数回繰り返します。
サーバーの目盛りを確認し目的の量の半分(今回は150ml)に達したら既にコーヒーの成分はほとんど抽出されています。その後はケトルのお湯を太くして500円玉ぐらいの大きさで注いでいきます。
※抽出する量にかかわらず蒸らしから抽出終了までトータル2分半から3分になるように、抽出の後半でお湯を注ぐ量とスピードを調整しましょう。
4.出来上がったコーヒーをカップに注ぐ
サーバーの目盛りでコーヒーが目的の量に達したらドリッパーを外し、抽出を終了します。サーバーをゆっくり揺らして濃さを均一にしてから温めておいたカップに淹れてで出来上がりです。
※ポイント!
1.鮮度のよいコーヒー豆をつかう
2.コーヒーの量、でき上がりの量をきちんと計る
3.量にかかわらず抽出は2分半から3分で終わらせる
ハンドドリップはその日の豆の状態、温度、ちょっとした淹れ方の違いで、出来上がりのコーヒー味が微妙に異なるのも楽しさの一つ。自分好みのコーヒーの味を探求してはいかがでしょうか。
「カフェメタル」で淹れてみよう!
「カフェメタル」でペーパードリップと同じようにコーヒーを淹れてみましょう。
1.カフェメタルにコーヒーの粉を入れる
カフェメタルはメッシュが非常に細かいので豆の挽き方は中挽きでOK。今回は3杯分30gのコーヒー粉で450mlのコーヒーを抽出します。
2.コーヒーケトルでお湯を注ぐ
ペーパードリップと同じ要領でドリップします。
3.目盛に達したらドリッパーを外す
サーバーの目盛り(下から300、450、600ml)までドリップしたらドリッパーを外し、抽出を終了します。
4.出来上がったコーヒーをカップに注ぐ
※カップ表面にコーヒーオイルが出ているのがわかります
コーヒーの油分(アロマ)がしっかり抽出され旨みとコクが増します。同じ豆を使ってペーパードリップで淹れたコーヒーと飲み比べると味の違いに驚かれるかもしれません。「カフェメタル」で味の違いを是非体感してくさい。
「カフェプッシュ&コーヒーポット」でアイスコーヒーを淹れてみよう!
浸漬式の「カフェプッシュ」で急冷式のアイスコーヒーを淹れてみましょう
1.コーヒーポットにたっぷりロックアイスを入れる
コーヒーポットの容量は900ml以上
2.カフェプッシュをセットしコーヒー粉を入れる
豆の挽き方は粗挽きを推奨、コーヒー粉の量はホット時は20gですがアイスの時は倍の40gを入れます。
3.お湯をゆっくり注ぐ
注ぎ終わったらスプーンで数回軽く掻き混ぜます。
4.ふたをして4分間蒸らす
5.再度ゆっくり掻き混ぜる
コーヒーの灰汁(あく)を押し上げます。
6.ボタンをプッシュ!
「カフェプッシュ」で急冷式の香り豊かなアイスコーヒーの出来上がり♪