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記事: キリマンジャロコーヒーとは|その特徴と魅力

コーヒー

キリマンジャロコーヒーとは|その特徴と魅力

“キリマン”と呼ばれて、コーヒー愛好家から長年親しまれてきたキリマンジャロコーヒー。日本の喫茶店文化を支えてきたコーヒーの代表ともいえる存在ですが、ここ最近、その名前を耳にすることが少なくなってきているような気もします。そこでこのコラムでは、キリマンジャロコーヒーとはどんなコーヒーなのか、またその特徴や魅力についてご紹介します。

キリマンジャロ山

キリマンジャロコーヒーとは

アフリカ大陸のタンザニアにそびえるキリマンジャロ山の麓で栽培されるアラビカ種のコーヒー豆が、キリマンジャロコーヒーです。キリマンジャロ山周辺は豊かな火山土壌と適度な降水量、昼夜の気温差があり、コーヒーの栽培に最適な環境です。

キリマンジャロコーヒーの味の特徴は一概には言えないものの、さわやかな酸味が柑橘系の果実のようにフレッシュで、後味がすっきりしています。また香りとコクもしっかりとあり、幅広い層に受け入れられる味わいです。

◆コーヒーはアフリカ大陸から世界中に広がったといわれています。コーヒーの歴史についてはこちらで詳しくご紹介しています。
コーヒーの歴史|世界中で愛されるようになるまでの軌跡

キリマンジャロコーヒーと喫茶店

冒頭でもご紹介したようにキリマンジャロコーヒーは、昭和の喫茶店人気に貢献してきたコーヒーの銘柄の一つです。昭和の初め頃から「純喫茶」と呼ばれる純粋にコーヒーを飲むことを目的とした店が広がりはじめ、1970年代からは日本各地に喫茶店が続々とオープンしていきます。喫茶店ブーム全盛期の時代、メニューには必ずと言っていいほどキリマンジャロコーヒーがありました。当時の喫茶店ではキリマンジャロ、ブルーマウンテン、モカといったコーヒーの銘柄が定番で、その中でもキリマンジャロはキリマンと呼ばれ親しまれてきました。

サイフォンでコーヒーを淹れている様子

フルーティーな酸味やアフリカ産らしい華やかさが、日本人の味覚に合っていたのが人気の理由ではないかといわれていますが、さらにこの時代の喫茶店のコーヒーの抽出方法が、ネルドリップからサイフォン中心へと変わったことも大いに関係していそうです。サイフォンでいれたキリマンジャロコーヒーは、その特徴であるすっきりとした酸味などがより魅力的に引き出されるといわれています。

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映画『キリマンジャロの雪』が残したもの

キリマンジャロという地名の知名度とイメージアップに、ある映画が大きな役割を果たしました。1952年に公開されたヘミングウェイ原作の映画 『キリマンジャロの雪』です。映画の舞台はまさにキリマンジャロ山。死が近づいている一人の男性がかつて女性たちとの間に繰り広げたロマンスを振り返るというもの。

映画キリマンジャロの雪

美しく雄大な自然、ロマンス、冒険といった映画の要素がキリマンジャロ山のイメージと重なり、“キリマンジャロ”という名前自体が、どこか特別で魅力的な響きとしてなじんでいったようです。そんな印象が定着したことで、昭和の喫茶店メニューのキリマンジャロは、ちょっと特別なコーヒーの代名詞となっていったのです。

コーヒー銘柄の名称のルール化

喫茶店文化が定着しコーヒー人気が高まったことに伴い、1980年頃にはキリマンジャロやブルーマウンテンなどコーヒーの有名銘柄をうたった商品が乱立します。そこで1993年、全日本コーヒー公正取引協議会が、コーヒーの銘柄について名称をルール化しました。

コーヒー豆とメジャースプーン

キリマンジャロについては、「タンザニアにて生産されたアラビカコーヒー豆。ただし、ブコバ地区でとれるアラビカコーヒー豆は含まない。」とされました。つまりキリマンジャロ山付近で栽培されたコーヒー豆に限定されず、(一部地域を除いた)タンザニア産のアラビカコーヒー豆はキリマンジャロコーヒーであるとされ、キリマンジャロコーヒーとタンザニア産コーヒーはほぼ同じ意味を持つようになりました。

スペシャルティコーヒーとキリマンジャロコーヒー

近年のスペシャルティコーヒー市場の成長によりコーヒーはさまざまに細分化、差別化が進み、「シングルオリジン(単一農園)」や「品種・精製方法」など、そのコーヒーの持つ個性的な特徴を打ち出すことが好まれています。

詳細な産地にフォーカスした商品も増え、国名ブランドであるタンザニア=キリマンジャロなどは、相対的に存在感が薄れてきていることは否めないようです。現在、キリマンジャロコーヒーについては「ンゴロンゴロAA」「スノートップAA」といった、より細分化された産地やグレードなどで表されるようになってきています。

◆キリマンジャロコーヒーをおいしく淹れましょう。コーヒーの淹れ方はこちらで詳しくご紹介しています。
コーヒーの淹れ方を初心者向けに解説。はじめよう!幸福珈琲時間

タンザニア産コーヒーのグレードとPB

タンザニアでは豆のサイズによってグレードが決められ、最上級のAAからA、B、C、PB(ピーベリー)など、段階的に厳しく管理されています。最近、このPB(ピーベリー)という小さく丸い希少豆が注目されています。通常は1つのコーヒーの実から2粒の豆が採れますが、PBは1つの実の中で1粒しか成長しないため豆が丸い形になります。PBは希少性が高いうえに、1粒の中に2粒分の風味が凝縮されるため濃厚で奥深く甘い香味を持つのが特徴です。

実はタンザニア産のコーヒーは、全世界のコーヒー産出量のわずか1%に満たず、特にタンザニアの高級豆は日本以外の国では市場にあまり出ない品種なのです。そんなタンザニアのPBはレア品種として独自の魅力を持っています。

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◆キリマンジャロコーヒーをハンドドリップでいれてみませんか。コーヒーの器具選びをこちらで詳しくご紹介しています。
初心者のためのコーヒー器具選び|おうちカフェを楽しむハンドドリップの道具

おわりに

キリマンジャロコーヒーは、昭和の時代から日本のコーヒー文化を支えてきましたが、近年、コーヒーの要素の細分化が望まれる傾向に伴い、その呼び方もより詳細化され少しずつ変化してきています。キリマンジャロという名前がかつてのようにコーヒーの一大ブランド、と言い切ることは難しくなりましたが、タンザニア産の高品質なコーヒー豆は変わらず生産されていて、私たちのコーヒータイムをより豊かにしてくれています。より多様で繊細なコーヒーの飲み方が広がり定着してきているということですね。

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