茶托とは?|その役割や種類など、おもてなしの心がこもったお茶の道具をご紹介
はじめに
茶托とは、お茶を出す時に湯のみ茶碗の下に敷く小さな受け皿のことです。最近では使われる機会が少なくなり、「茶托」という言葉になじみのない方も多いかもしれません。日本の古い映画やドラマなどでは、茶托を敷いたお茶をお客様に楚々としてお出しするシーンを見かけます。丁寧な所作と相まって、お客様をもてなす気持ちがしっかりと伝わってきます。
湯のみの影に隠れてしまいそうな小さな茶托ですが、そこにはどんな意味があるのでしょうか。このコラムでは茶托の役割や種類、使い方などについてご紹介します。

茶托とは
湯のみの下に敷く小さな受け皿のことを「茶托」といい、読み方は「ちゃたく」です。江戸時代に中国から日本に伝わり流行した煎茶と深いつながりがあり、煎茶道の流派の中では托子(たくす/たくし)などと表記されることもあります。
もともと正式な場でお客様に煎茶を出す際に、「天目台」という台に茶碗を載せてお茶を出していたのが次第に簡略化され、現在の茶托へと変化したと考えられています。

※天目台のAI生成画像
話題のドラマのオープニングにも登場
茶托の元となった天目台は、2026年放送のNHK大河ドラマ『豊臣兄弟!』のオープニングにも登場しました。ほんの一瞬ですが、天目台を使ってお茶が供される場面を見ることができます。お茶と関わりの深かった豊臣兄弟をめぐるドラマならではの一コマと言えますね。
◆お茶の歴史についてこちらで詳しくご紹介しています。
お茶の歴史|悠久の時を経て進化する日本のお茶の歴史
茶托の役割とは
お客様がいらした時などの改まった席で使われることの多い茶托ですが、その役割とは何でしょうか。
飲み口に触れずに配膳
湯のみの飲み口に直接触れずに配膳できることは、茶托の大きな役割の一つです。大切なお客様が口をつける部分をきれいな状態でお出しして、おいしくお茶を飲んでほしいという気持ちの表れと言えます。
熱い湯のみを持ちやすく
湯のみには、コーヒーカップのような取っ手がありません。いれたてのお茶は湯のみ自体が熱くなるので、茶托を使うことで持ち運びがしやすくなります。
テーブルを汚さない
お茶をいれる時にこぼしてしまった水滴などを受け止める役割もあります。湯のみの底が濡れていたとしても、茶托のおかげで机やテーブル、書類などを汚さずに済みます。
茶托の役割を見ると、お茶を供される人はもちろん供する側の人に対する思いやりも感じられます。
◆お茶のいれ方についてこちらで詳しくご紹介しています。
日本茶のいれ方をわかりやすく解説!もっとおいしくなる幸福お茶時間
茶托の種類
素材
錫などの金属製のものや木製のもの、また湯のみとお揃いの陶磁器でできたもの、ガラス製のものなど、素材はさまざまです。
煎茶道では錫製が一番とされていて、ほどよい重量感や手触りが好まれてきました。木製のものは軽いうえに湯のみと茶托が触れあっても音が出ないので、音が気になる方は木製を選ぶとよいでしょう。
形や大きさ
円形や楕円形、また花や葉を模したものや透かし彫りを施したものなど多様な形があります。中央には、湯のみが安定するよう円形のくぼみが作ってあります。
大きさも湯のみを乗せるとほとんど隠れてしまうような小ぶりのものから、大ぶりのものまであるので、選ぶ際はどんな湯のみと一緒に使うかを考えて選びます。湯のみにどんな茶托を合わせるか考えるのも、お茶の楽しみの一つですね。
◆お茶の種類についてこちらで詳しくご紹介しています。
お茶の種類|本格派から入門者まで楽しめるお茶の知識をご紹介

◆マックマーのジェイプッシュは金属フィルター付きの二重構造。お茶の色の変化を楽しみながらお茶がいれられます。購入はこちらから。
茶托とコースターとの違い
茶托と似たものにコースターがあります。どんな違いがあるのでしょうか。

コースターは主に冷たい飲み物に使われ、グラスやコップに付いた水滴からテーブルを守る役割があります。対して、茶托は温かい飲み物に使います。
また大まかに、コースターは洋風、茶托は和風の道具と言うことができますが、最近は和と洋を組み合わせた洗練されたテーブルコーディネートもあり、厳密な使い分けがあるわけではありません。
茶托はお客様だけがマナー?
茶托を使ってお茶をお出しする際、「茶托はお客様だけに使うもの」と聞いたことがある方もいるでしょう。また逆にお客様に気を遣わせないように、提供する側も同じ湯のみと茶托でお茶を一緒にいただくことこそがおもてなしに繋がるマナーだという方もいます。ということは、現在では厳密な決まりはなく、お客様との関係や場面に合わせて使い分ける考え方が一般的です。
会社など公的な場への来客に対し、特別なお客様へのおもてなしという意味でお客様にだけ茶托を使ってもよく、自宅などへ招いた親しい方へは同じ湯のみと茶托でお出しして、同じお茶を一緒に飲むのもいいでしょう。その時々の状況やお客様との関係などにより選択していけば、それはマナー違反とはなりません。おもてなしの気持ちに正解不正解はありません。

◆マックマーのティープッシュは茶葉がお湯に浸ったままにならないので、二煎目、三煎目もおいしくいただけます。購入はこちらから。
◆お茶のいれ方をこちらで詳しくご紹介しています。
日本茶のいれ方をわかりやすく解説!もっとおいしくなる幸福お茶時間
最後に
お客様をもてなす意味の大きい茶托ですが、ときには自分のためだけに茶托を使ってお茶をいれてみてはいかがでしょうか。いつものお茶の味が少し違って感じられるかもしれません。またお客様の喜ぶ顔を思い浮かべながら、湯のみと茶托の組み合わせを考えるのも楽しい時間ですね。日々の生活に茶托を取り入れて、どうぞ“幸福お茶時間”をお過ごしください。

◆おいしいお茶にはおいしいお茶請けを合わせたいですね。こちらで詳しくご紹介しています。
お茶請けとは|知っておきたいお茶とお菓子の組み合わせ

◆マックマーのドコデモ茶こしは、急須がなくても手軽にお茶がいれられてとっても便利です。購入はこちらから。



















